お勧め短編&映画祭&イベント

加藤久仁生展@伊丹市立美術館 (2013年07月22日付け)

「つみきのいえ」で2009年度アカデミー短編アニメーション賞を受賞し、
一躍有名になった加藤久仁生監督。

姫路でも2008年に特集上映をさせていただき、翌年の受賞後に再び
「つみきのいえ」を上映させていただいた、とってもご縁のある監督さ
ん。そしてなんといっても私自身が「或る旅人の日記」からの大ファン。

彼の初めての巡回個展の最後の地が伊丹市立美術館。
しかも初日には監督とともに展覧会をまわるアーティストトークがあると
聞いて行ってきました!

加藤久仁生展 7月13日~9月1日 @伊丹市立美術館



「つみきのいえ」はもちろんのこと、彼の名がじわじわと知られていくきっ
かけとなったオムニバスアニメーション「或る旅人の日記」から、最新作
オムニバスの「情景」まで。

各作品のストりーボードや、シナリオ、動画のほか、「つみきのいえ」の
絵本化の際に制作されたイラストなどがぎっしリ詰まった充実の展覧会。

個人的に気に入ったのは加藤監督の頭の中が覗けるスケッチブック。
彼のインスピレーションのもとになった風景やオブジェクト、ショートスト
ーリーなど、それだけじっくり見ても楽しい宝箱のようなスケッチブック。

「つみきのいえ」全編と、巡回中に制作されたという「情景」も特別上映。

彼の優しい色彩と独創的なのにどこか懐かしい世界観、そして心の奥
深くに眠っている記憶を呼び起こすようなノスタルジックで美しい音楽。

監督の画力を展示で堪能した後に、2か所のミニシアターでどっぷり彼
の世界に浸れます。


加藤久仁生さんが所属する制作会社ロボットには加藤さんの他にも
世界のアニメーション映画祭で評価を受け、国内のCM、PV、アニメー
ション制作で活躍されている作家さんたちがいらっしゃいます。

もう一度、加藤作品とともに、ロボット所属の作家さんの作品を姫路で
紹介できたらいいな・・・と思っていたら、以前お世話になったロボットの
制作の方にお会いすることもできました!

この素敵な偶然、必然になるようにちょっと頑張ってみようかな~。
時間があればもう一度来ようかな~。
と思いながら、わくわくしつつも穏やかで優しい気持ちで帰路につきま
した。

姫路からちと高い交通費を払っていく価値は十分にあります(笑)

とっても優しい気持ちになれ、周囲の大切な人がなんだかさらに愛おしく
なるような、不思議な魔力?をもった加藤久仁生ワールド。

親子でもカップルでも、一人でも、楽しめます。
おばあちゃんと孫とかでも楽しめるかな?

夏のアートで穏やかな休日、いかがですか?

(Hiroko)






  


Posted on 2013年07月22日 │コメント(0)

2009年グランプリ作品、「奴との遭遇」完結! (2013年05月28日付け)

2009年度ゲスト監督&審査委員長 伊藤有壱監督、観客、そして何よりも映画祭スタッフのハートをがっつり掴んだ澤田裕太郎監督の「奴との遭遇」、なんと続編があったのをご存知ですか?





この度監督から人形アニメーション『新世紀末 奴との遭遇』全5話完成拍手のご報告をいただきましたので、独り占めするのももったいないのでこちらで皆様にご紹介させていただきます。

本編予告映像は下記作品公式サイトから。

新世紀末 奴との遭遇
http://www.yatsutonosogu.com/

本作はYoutube公式チャンネル「アニメバンチョー」にて、5月14日から毎週火曜日更新のようです。

アニメバンチョー
https://www.youtube.com/user/AnimeBancho?feature=watch

コミックス・ウェーブ・フィルム(プロデュース)
http://www.cwfilms.jp/

少し前にメールをいただいていたのに、告知が遅れてしまってごめんなさい。
でも、今からでも遅くない!

残業で疲れているあなた、なんだか人生疲れているあなた、ただ単に笑いたい人、とりあえず、お試しください!
明日への勇気をもらえる!(はず。)

あ、次回の映画祭は2014年6/14・15開催予定です。
スタッフ、スポンサー大募集中!
公募コンペ応募もまもなく開始します!


ってこんな大事なこと最後に書くなってね。
いえいえ、もうちょっとしたらちゃんと一つの記事で書きますのでお待ちを!

(Hiroko)
  
タグ :奴との遭遇


Posted on 2013年05月28日 │コメント(0)

チャップリン・キートン・エテックス、バーレスク映画の勧め (2013年04月05日付け)





ひめじの映画祭でもお世話になっている短編映画のプロモーションや配給をしている団体のコメディ無声映画の試写会に行ってきました。

バーレスク映画といわれるこのジャンル。チャップリンやキートンと言えばご存知の方も多いのではないでしょうか?
私は無声映画が大好きで、このお二方はもちろんのこと、ヒッチコックやフリッツ・ラング初期の作品、ルネ・クレールにジャック・タチ・・・というか無声映画自体がオールジャンルで大好きです。最近の人がたまに撮ってる現代の無声映画も。

シネマコンサートには出来る限り行って、昨年パリで小津安二郎の無声映画を弁士付で見てえらく感動したものです。

と言うわけで、ひめじでいつか実現したいスペシャル上映のひとつが無声映画に生演奏をつけて上映するシネマコンサート。
2012年度はメリエスの月世界旅行を狙っていたのですが、日本の配給会社に一足違いで配給権を買われ断念(各地で上映されることになったので作品にとってはいいんですけど^^)。
他の候補作品もあったので、上映権だけとりましたが、設備関係の問題で直前に断念。

ということで、ゆっくりじっくりいつかの上映機会を探りつつ、候補作品のストックをためていこうと行ってきました。

「チャップリン、キートン、ピエール・エテックス」

「笑いたい、いや、むしろ笑わせたい。」

5本で1時間20分のプログラムが組まれ、4月10日からの劇場公開に先駆けての関係者試写会でした。

アメリカの大御所二人の作品「THE CURE」と「ONE WEEK」を目当てに行ったのですが、あらあら、フランスのエテックスもすごいよかった!

チャップリンとキートンは、私ごときが言う必要もないくらい、おバカでかわいくて、でもちゃんと風刺が効いていて、そして、今回2作を同時に観て改めて感じたのは、下品な笑いではなく、エレガントな笑いであるということ!

最近のコメディ映画はほとんど観ないので憶測ですみませんが、エレガントな笑いというのはこのアメリカのバーレスクの黄金時代1915-1935以降は例外を除いてほとんど存在しないのではないでしょうか?

どんなにおバカをしても、あれって時代の持つエレガンスなんでしょうか?すごく洗練されていて、そして、その当時の悪習やら、悪い人たちを皮肉ってるんですが、人間への温かい愛が感じられました。ちょっと大げさだけど、人と人との繋がりが根底にあって、いい人も悪いひとも、騙す人も騙される人にも、本当の悪人はいないというか。

人が生きていくうえでぶつかる、どうしようもない不条理さや不器用さを笑い飛ばして、「人間てしゃーない生き物、でもこうして不器用にもがきながら楽しく生きていくのが人間なんだよ」っていう、感じ。

と言うわけで、大御所さんの作品はもちろん予算があえば生演奏付で上映したいのですが、日本ではほぼ無名のピエール・エテックスが本当によかったので、彼の作品も狙いたい。
こちらは少し会話もありますが、字幕なくてもわかるくらい、ピエロ、パントマイムチックなとっても楽しいおバカな作品で。でもパリの素敵な町並みを舞台に、いかにもパリジャン、パリジェンヌの人たちと繰り広げるお洒落なコメディは、大御所二人にひけをとっていませんでした!

エテックス監督は、自身もピエロや道化師をしていて、ピエロちっくな主人公演じるのはもちろん監督。なるほどうまいわけだ。こういうところも、チャップリンとキートンと共通していますね。

と言うわけで、皆さん首を長ーくしてお待ちください。いつか必ず!!!

最後に、パンフにあった言葉が素晴らしかったので。

「文学をページ数で、絵画を作品の大きさで評価する人はいないだろう。」(だから短編が長編に劣るなんてことは言えない)

1953年に短編映画が映画館から追い出されそうになった時の擁護団体の言葉です。

同意。

ではでは、無声映画、日本各地でも最近、弁士復活(若い人が頑張っています!)し、シネマコンサートもよく開催されているので、皆さんもアンテナ張って楽しんでくださいね~。私も見つければこちらでご紹介します。
古いのに新しく、新鮮な驚きとともに、いろんな意味で原点に帰った感じでほっこりしますよ~。

(hiroko)

  


Posted on 2013年04月05日 │コメント(0)

フランス短編映画特集@阪急うめだ本店4/3-7 (2013年04月02日付け)

大変ご無沙汰しておりました。

いろいろありまして更新滞っておりましたが・・・次回の映画祭準備もようやく始動!
2012年度の映画祭に参加してくださった監督、観客の皆様、そして支援してくださったスポンサーの皆様、本当にありがとうございました。皆様の今までの応援と支援を無駄にしないよう、せっかく姫路に根付き始めた映画文化の根を絶やさないよう、相変わらずの試行錯誤を繰り返しではありますが、頑張って続けていきますので引き続き宜しくお願いいたします!

公募コンペ及び開催予定日のお知らせは近日中にこちらでご案内させていただきますが、まずは、私個人の活動ですが、映画ファン、ひめじ映画祭ファンの皆様には楽しんでいただけるイベントをご紹介させていただきます!


フランス祭2013 誰もが気軽に楽しめる!
“フランス短編映画特集 フレンチ・ショート・ショート!”






◎4月3日(水)、5日(金)~7日(日)@阪急うめだ本店9階 祝祭広場アートビジョン

うめだ阪急フランス祭2013(4/3~9)を記念して、短編映画の本場フランスから、センスとユーモアに溢れた素敵なショートフィルム(短編映像)4作品をアートビジョンで上映します。欧米ではショートフィルムの伝統が根付いてますが、日本ではなかなか上映機会のないショートフィルム。ほんの数分だけど、素敵なエッセンスがつまった映像は、誰もが気軽に楽しむことができます。日本初上映作品も登場! (イベントHPから抜粋)

★放映スケジュール★
4月3日(水)午後7時
4月5日(金)午後8時
4月6日(土)午後4時30分・7時
4月7日(日)午後2時・4時30分
各回約20分*無料です!*


作品紹介はこちら 
フランスフェアのイベント案内はこちら 

華やかなイベントスペースでのパブリック無料上映のため、誰もが楽しめるかわいくてお洒落でフレンチな作品ばかり集めました。女性はもちろん親子でも。フランス好き、映画好き、そして好奇心旺盛な方なら男女、年齢問わず皆様に楽しんでいただけるプログラムです。

フランスのエスプリが効いた作品ばかり。是非是非この機会にフランスグルメと雑貨とともにフランス短編も初体験してくださいませ。美味しいものを食べて、かわいいもの買って、様々な文化プログラムを楽しんで、目にも耳にも心にも優しい映像作品まで楽しめるという素敵なイベントです。これからも様々な素敵な生き方、暮らし方(ART DE VIVRE)を提案していくという阪急うめだ本店。どんなのがでてくるか楽しみですが、まずはART DE VIVRE分野では一番を自認しているフランスフェアを映像作品とともにお楽しみください!

プログラム鑑賞された方、ダメだし含め感想聞かせていただけると嬉しいです^^


私事ではありますが2012年度の映画祭直後に入院&手術しましてようやく仕事ができるまで回復しました。療養&充電期間を経て心機一転。姫路~関西の映画文化の活性化と、素敵な映像作品との出会いを通して、皆様(と私自身^^)の毎日がさらに楽しくなるように、映画祭からさらに進んで、いろんなことにチャレンジしていきたいと思っています。まずはブログの方からの情報発信を再開していきますのでお暇な時に覗いてみてくださいね。

復帰第一弾は・・・2009年度の映画祭でできた素敵なご縁の方からのご紹介で、阪急さんとお仕事させていただくことになりました。今後も映画祭と平行して他の団体様とのコラボレーションで素敵な国内外の映像作品を紹介していきたいと思っていますので、お楽しみに!

また、後日詳細発表しますが、大きなチャレンジ、転換期となった2012年度、第5回の開催を経て、スタッフとともにいろいろ見直しました。結果、本来の姿に戻り、映画に専念し、今まで出来たご縁を大切にし、映画を丁寧に見せていく、監督と観客の交流の場がもっともてるような映画祭を目指していくことになりました。

スタッフそれぞれの得意分野と案を持ち寄って、手作り感満載のアットホームさが売りらしい(笑)、ひめじ国際短編映画祭の真の姿に戻って、素晴らしい作品と監督と観客の皆様を万全の体制でお迎えできるようにスタッフ一同尽力しますので、引き続き応援宜しくお願いいたします!

Hiroko
こと
ひめじ国際短編映画祭 代表 尾上浩子

相変わらずの長文、最後まで読んでくださってありがとうございました。

  


Posted on 2013年04月02日 │コメント(0)

クレルモン・フェラン国際短編映画祭2011リポート⑤ (2011年04月28日付け)

みなさまこんにちは

日本はGW?
フランスはイースターの休暇でございます。

さて、「ひめじ国際短編映画祭の生い立ち編」もまだ終わっていませんが、こちらは書くと長くなるので時間のある時にゆっくり想いをこめて、ということでお許しいただき、とりあえずはクレルモンレポート編を終えたいと思います。

毎年ひめじで上映する海外作品を作品探しに行っている世界最大の短編映画祭、クレルモン・フェラン国際短編映画祭。
今回はマーケット開始前の最初の週末にしか行けなかったので、ほぼ上映会場にいて一般観客として作品を観たのですが、こちらは世界最大の映画祭。映画関係者も多数集まりますので、プロ用の受付会場があったりします。

そしてバイヤーや配給、監督、映画祭など、プロとして登録すると、フリーパスがもらえるのです!(と言っても、優先パスではないので並ばないといけないんだけどね)
じゃじゃ~ん。これがそのフリーパス!ひめじ国際短編映画祭で登録してます。

プロ用の受付に言って、申込している旨を伝えると、このパスと映画祭のカタログ、そして、応募作品全てが掲載された電話帳のような分厚いカタログがもらえます。

これ重いけど、このカタログと、追加料金で60ユーロのアクセスプロに登録すると、半年間、応募作品がオンラインで自宅から視聴できるという映画祭プログラム担当には嬉しいサービス。

特に今回は1日半しか滞在できなかったので、作品探しは今後、自宅で暇を見つけてはせこせこする予定。
大画面で観れたほうがいいんだけどね。仕方ない。(仕事として長期で行かせてくれ~~。)


で希望者には、ブレブレですが、こんな感じで、写真を掲載するサービスも。
バイヤーさんとかは、ここに載せておくと、顔を覚えられ、監督さんたちからの売り込み攻撃が。

仕事でこの映画祭に来ていたときは、私もここで監督さんやバイヤーさんの顔をチェックしたりとかしてました。

というわけで、一般市民に大人気のクレルモンですが、しっかりビジネスの場としても成立していて、世界中からTV局やVODのバイヤーさんや、配給関係者、制作者などが集まっているのです。
そして、世界中の映画祭のプログラム担当者も作品探しに来ております。

いつかは、他の映画祭との交換プログラムなんかもしたいな~と思っていますのでお楽しみに。

今年は、海外作品の更なる充実と、今年のクレルモンで一番の収穫だったおとぎ話がベースの短編特集@ひめじをなんとか実現させたいところ。

今年は、「国際」という側面を強化して、野外で国際的な関連イベントもあるとかないとか。
詳細は決定次第お知らせしますが、来年の5月の最終週末は予定あけといてくださいね。

観て・聞いて、体験して、食べて。知的好奇心と五感の全てを満たす刺激的な映画祭を目指してスタッフ一同奮闘中です。

ひめじがいつもと違う顔になるハズ。お楽しみに!!!

作る側に周りたい方はメッセージください!

(hiroko)

  

Posted on 2011年04月28日 │コメント(0)