パリ事務所便り

謹賀新年:ほっこり短編で年初め (2008年01月06日付け)

明けましておめでとうございます。

日本の皆様、お正月はゆっくり過ごされましたか?初詣に、おみくじ、お節、お年玉(はこの歳では無理か…)、日本のお正月はお祝いムードいっぱいで楽しいですよね。日本にいたときは「面倒くさい!」の一言で片づけていた「着物で初詣」なんてのが今では憧れになってます。

そう、こちらパリでは、大晦日はそれなりに祝うものの、正月はシーン・・・。カフェもお店も大部分は閉まっているので正月にすることと言えば散歩!別な言い方をすれば、何もすることがない…。おこたに、みかんでまったりもできないし。年賀状の楽しみも・・・。

と言うわけで、お正月でも開いている映画に行ってきました!



新年早々、Happyになれるもの!というわけで、小難しい社会派作品は避けて、「美しい」「楽しい」をテーマに作品を選ぶ。で、目にとまったのがアルベール・ラモリス監督の「Le Ballon Rouge(赤い風船)」。1956年制作の34分の短編映画で、カンヌでグランプリ受賞。

ストーリーはいたってシンプル。道で赤い風船を見つけた少年は、風船と仲良くなって行動をともにする。二人がパリの街を駆け巡る姿がユーモラスに描かれた作品。

淡い色調の古きよきパリに映える風船の鮮やかな赤!風船とともに少年が駆け抜ける50年代のパリの下町では道端に屋台が溢れ、レトロなバスが走り・・・。今のパリもいいけど、やっぱりこの温かい庶民的なパリは消えつつあるかも・・・とちょっとノスタルジックなパリジャンの気持ちになったり。

さて、少年の後ろをちょこちょこついていく風船だったが、近所の悪がき達に割られてしまい、少年は悲しみにくれる。その時・・・

とここからはネタばれになってしまうので控えておきますが、頭のいい皆さんが想像してる通りのことが起こります。ラストはかなり有名なラストだし、知らなくても、すぐに読めてしまうのですが、それでも感動!のラストシーン。映画全編を通して、なんだかかわいくて楽しくて終始笑みを浮かべて鑑賞していたのですが、この頃になると、子供のような気持ちでわくわく。自分も少年と一緒にいつしかXXX(これは見てのお楽しみ)います。

大人も子供楽しめる良質のファンタジー・コメディ。フランスのファンタジー・コメディと言えば、ジャック・タチが有名ですが、ある評論家の一言。

「タチのコメディも素晴らしいが、ラモリスの「赤い風船」にはまた違った楽しさがある。彼の作品から得られる“笑み”は他のどの作品からも得ることができない」

確かに。多分、この作品を観ていた時に私はすごく優しい顔をしていたのではないかなと思う。

会話は少年が風船を呼んだり「ここで待ってて!(だったと思う)」というぐらいでほとんどなし。

美しい映像で語る短編の名作。

空撮の魔術師と呼ばれる監督みたいですが、まあ、技術面は私にはちとわかりませんが、空のシーンは圧巻です。パリの屋根が、美しい空が、風船が・・・。

是非とも大画面で観ていただきたい作品なのですが、古い、しかも短編ということでなかなか難しいかと・・・。ビデオがでてるみたいですが、私の野望としては、今年の映画祭で上映!

できたらお知らせしますので、観にきてくださいね~~~。

では今年も皆様にとって素敵な一年になりますように!

(Hiroko)
  

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甘~~いショコラショー! (2007年11月08日付け)



心身ともにあったまるショコラショー(chocolat chaud、いわゆるホットチョコレートですね)が恋しくなる季節になりました。

最近自転車で走り回ってる私は、なんかスポーツをしてる気分になって甘いものを解禁しちゃってます。

甘いものと言ってもチョコレート専門、特に冬には紅茶にチョコ、ホット・ミルクにチョコ、カフェに入ればショコラショーを注文…てなわけでチョコの消費量が格段にUP。これじゃあ、いかんと去年はかなり我慢してたのですが…

今年は早々と10月末から解禁です。

さて、このショコラショー、見てもわかるとおり普通のとは違います。

ショコラ・ヴィエノア(chocolat viennois)とかだったかな…、上にホイップクリームがのってくるのは知ってたたけど、ここまでとは…。ちょっとびっくり。

でも、でろでろの甘さで美味。

カフェバージョンもあって、奥のちょっと色の濃いのがそう。café viennoisです。

ダイエット中の方もご安心を。普通はここまで大量にのってません^^。普通のコーヒーカップの上にちょこっとぐらい(のはず)。

一度お試しあれ!

(Hiroko)


  

Posted on 2007年11月08日 │コメント(0)

2 days in Paris : 外国人からみたパリ (2007年11月05日付け)

すっかり冬めいてきたパリ。
お散歩もいいけど、暖かい映画館でゆっくり映画鑑賞というのがこの季節のデートの定番になるんでしょうかね?

といいつつ、私は一人で昼間に行ってきましたが^^

さて、今回はかわいくてお洒落で笑えるフレンチコメディをご紹介。
フレンチコメディと言っても、確かアメリカ・ドイツ資本だったっけ?(かなりあやふや)でもなぜパリかっていうと、題名からもわかる通り、パリをテーマにした、しかも生粋のパリジェンヌが撮った作品だからです。

「2 days in Paris 」



監督、脚本、音楽(全部じゃないけど)、そして主演までもこなすのは「トリコロール・白の愛」、「キリング・ゾーイ」、「GO GO LA」で有名な(ってフランス映画ファンの中だけですが)ジュリー・デルピー

知らない方はこちら。
http://belle-onweb.net/julie_delpy/info/index_info.html

3月に日本でも公開される予定なのでお楽しみに!「日本の配給会社が一番に買った」とかって喜んでました、ジュリーさん。

天使のようなな顔で結構きわどいことをしたり、言ったりするのが妙に魅力的な女優さん。 女ながらに、あの天使の笑顔と悪魔の微笑みにすっかり惑わされ、トリコロール以来のファンでした。私の中ではちょっとイカレタ天使のイメージ。

デビュー作がゴダールの作品だったりして、売れてる女優さんだったのに、最近見ないな~と思ってたら、アメリカに渡って映画学校に行って、自主制作映画作って、しかも音楽やったりもして、うん、かわいいだけじゃなかったのです。

正直、ジュリー見たさにいったので、あんまり期待してなかったのですが、意外や意外、悪くなかった!

ストーリーは:

NYで写真家やってるジュリーとアメリカ人の彼がヨーロッパ旅行に来て、最後の2日間をパリのジュリーの実家で過ごし、そこで彼はジュリーの知らない一面を見て…という単純なお話。

映画のサイトはこちら。トレーラーも見れます。

http://www.2daysinparisthefilm.com/

まあ、ありがちな、ちょっとドタバタのカルチャーショック、ロマンチックコメディなんですが。結構笑えました。

国際カップルや、フランスに暮らしたことのある人なら「わかる、わかる、そう、そう!」の連続。フランス人観客も爆笑、失笑、苦笑。 私はアメリカ人の彼氏の立場に身を置き換え…「笑うなよ!こっちも頑張ってるんだよ!」と時には過去を思い出し怒りが沸沸…。

フランス人、いや、フランス男とフランス女の習性、アメリカ人とのギャップなんかがステレオタイプ気味に描いてあるけど、正直、当たっています。

フランスユーモア満載(皮肉と下ネタ、人を小馬鹿にする)の食卓での会話とか、TAXIでのやりとりとか、いつでもどこでも誰と一緒の時でも常にナンパしてるフランス人とか、メトロの男とか。ある、ある、ある!の連続。

いや、こーして改めてみると、フランス人ってすごいです。年中無休、生涯現役。怖いもんなし。

自分の憂さ晴らしの悪戯を正当化してもっともらしく語るとことか。うわ~~~、「なんちゅー自己チューな奴」みたいな…

さすが「お」フランス人様^^。

これを生粋のパリジェンヌのジュリーが描いてるんだから本人たちも自覚してやってるんでしょうね。

多少大げさには描いてますが、パリジャン・パリジェンヌの習性を知りたい人はこれで十分学べます。(ってこんなのばっかじゃないのでご安心を)

少し太って、ビン底メガネのジュリーさんに最初少しがっかりしたけど、やっぱり彼女は魅力的でした。

嘘つきで浮気症で講釈たれで切れやすいフランス女の典型だけど、でもジュリーさんが演じるとなんだか許せてしまう。

いや、やっぱりフランス女性ってよくも悪くも「女」を体現しているので魅力的なのかも…と思ってしまった。悔しながら。

ちなみに両親を演じているのはジュリーの実の両親、猫もジュリーのもの。ジュリーワールド満載なのであります。


作品的には上記の3作のほうが好きですが、ジュリーさんのコメディセンス、悪くないです。
フランス映画は重い…と避けている方、この辺りから入るといいかも…って書きながら、思い出した。これはいわゆるフランス映画ではなかったのだ。NYに住むフランス人がフランスとNYのエスプリを混ぜて作った作品。映画の中でも英語とフランス語が入り乱れる。

ま、どこの国の映画なんてことは気にせずに、気が向いたら観てみてください。パリ好きには必見かな。
理想化されてないパリの本当の姿ってことで(いわゆるお洒落な恋愛映画ではありません)、見る価値ありです。

では、また来週!

(Hiroko)


  

Posted on 2007年11月05日 │コメント(0)

食欲の秋@ムフタールの市場 (2007年10月17日付け)

秋です。食欲の秋です。

と言うわけで今回はパリのマルシェをご紹介。

パリには各区にマルシェ(市場)があって、新鮮な野菜やらチーズやらが買えるのは皆さんご存じですよね。
有名なのは日曜日の6区、ラスパイユ通りのBIOのマルシェ(高いが美味しい!)と土曜のバスチーユのマルシェ(ここは野菜が安くて美味しい!)でしょうか。

私はめんどくさがり屋なので一番近くの5区のムフタール通りのマルシェに土曜の朝行ってます。
ここはマルシェというよりは、アーケードのない商店街という感じ。
数軒の野菜・果物屋さんが青空でやっている以外は、肉屋、魚屋、パン屋、チーズ屋などが店を構えていて土曜日なんかは近所の買い物客と観光客で賑わっています。お値段は他の”本物”?のマルシェに比べるとちょい高めかな。

では、先週末のお買いものコースを辿りながらお勧めの店をご紹介。



こんな感じで目にも美しい野菜たちが並んでおります。



秋の味覚と言えばきのこ!パスタやリゾット、ホワイトソースの具に使うことが多いかな。
オリーブオイルとガーリックだけで炒めてパスタソースにしてもよし。





こちらが行きつけのお肉屋さん。平日はスーパーで買ってますが、日曜は御馳走の日なのでここでちょっといいお肉を買うか(スーパーの2~3倍はするけどやっぱり味が違う!)、もしくは同じ通りにあるお魚屋さんでお魚を。

この日はそうでもなかったけど、いつもは行列のできるお店!3~4人のプロ!の肉屋さんが見事に客をさばいていきます。感じもよくて◎。この日は子牛を買いました。





こちらはイタリアの食品・惣菜屋さん。



この日はゴルゴンゾーラとマスカルポーネのあいのこのチーズとパスタを。パンに塗って食べたり、パスタソースに使ったり。
うまか~~~。生ハムもいろいろあって美味。ちょいと高めなのでたま~に。







そしてパンとデザートはこちら。甘すぎる店が多いフランス。こちらは甘さ控えめ、素朴な感じで気に入ってます。
写真の奥にちょっとだけ見える、フルーツパイは絶品。パイ生地が薄くてパリパリで軽~~く食べれます。





そしてしめはここ!買いものを済ませた後にランチをとるのがここです。

ムフタール通りはちょっとした観光スポットでもあるのでレストランが多いのは多いのですが、あまりいいレストランがないのが悩み…
だったのですが、最近、ちょっと横道に入ったところに美味しいイタリアンを見つけました!

Nonna Inès, 1 rue de l'Arbalète 75005



ピリ辛のブロッコリーのソースの上に生ハムとチーズがのったパスタは絶品!パリでは珍しくアルデンテだし。
ブロッコリーを軽くゆでた後にオリーブオイルと赤トウガラシで炒めてペースト状にしてるのかな?あとは塩味のきいた生ハムとコンテのようなチーズのスライスをのせるだけ。家でやってみよう!

奥のアンチパストのプレートも美味。数種類のイタリアン生ハムとチーズは感動ものですが、野菜が少なめなので途中で重くなるかも…。2~3人で分けるといいかな。



デザートにはティラミス好きの私の要望は却下され(涙)、バニラアイスのエスプレッソがけを。(名前忘れた)
こちらもバニラアイスにエスプレッソをかけてチョコチップを飾りにちょこっと。
溶けたアイスの甘みとエスプレッソの苦味が混ざっていい感じ。エスプレッソマシーンさえあれば、家でもできますね。



土曜の昼と言うこともあって家族連れが多いアットホームなお店。12時半すぎると予約客でほぼ満席。

一皿12~18ユーロぐらいでボリュームいっぱい。

ムフタール広場からムフタール通りをちょっと上がっていって左に曲ったところです。(って分かりにくい…)

他にも美味しいパン屋さんがあったり、ショコラティエがクレープの屋台出してたり…、と食べながら散歩してると気分はパリジェンヌ!(普段アジアンレストランばっかり行っているので…)



と言うわけで、いわゆる”マルシェ”というわけではありませんが、なかなか気に入ってます。
この近所に滞在する機会があれば一度覗いてみてくださいな。

次回は、マルシェ繋がりでこの夏に行った、フランスの田舎のマルシェリポートでもしようかな~。
って食べ物ばっかりですね…。

ううん、文化・イベントブログだったはずなんだけど…。

ま、とりあえず、食欲の秋!ですが食べ過ぎには注意ですよ!

(Hiroko)






  

Posted on 2007年10月17日 │コメント(0)

パリ×自転車 (2007年10月02日付け)

パリ市がまたやってくれました!

ドラノエ市長になってからというもの、Nuit blancheやParis plageなど、まーなんやかんやと年がら年中やってくれて、以前にも増してイベント好きの都市になったパリ。

で、今回はレンタル自転車の設置なのです。
パリ市内のあちこちに設置されたレンタル自転車。これがとっても便利!
日本でもペーパードライバー、自転車愛用の私には嬉しい試みなのであります。



Velib'(ヴェリブ) (Velo=自転車、libre=自由かな?)の使い方はいたってシンプル。と言ってもフランス語がわからないときついが(英語版あったかな?)、わからなければ後ろの人に聞いてみましょう!みんな早く乗りたいので快く(仕方なく?)手伝ってくれるはず。

必要なのは銀行のカード。暗証番号が必要です。

一日(1ユーロ)か、1週間(5ユーロ)かが選べますが、ここでは一日のチケットの買い方をご紹介。

近くにある自動券売機でチケットを買います。

abonnement courte dureeというのを選んで、une journee(一日)を選びます。(正確な表示、順番は忘れましたのでご了承を、ここではだいたいの流れを説明します)

その後は利用規約を読んで、OKして、カードをさして保証金150ユーロの仮支払と一日チケット料金1ユーロを支払ます。

ちなみにV(緑)はvaliderの意味でOKの時はここを押します。A(赤だったかな?)はannulerでキャンセル。

その後4桁の自分の暗証番号を設定。自転車のロックを外す時に必要になります。

全て終わると番号が記載されたチケットがでてきます。

これからは、使いたい時に

画面上でtitulaire d'abonnement courte dureeを押して、チケット上に記載されている7桁の番号を入力して、自分の暗証番号を入力して最後にretirer un velo immediatementを押すと、使える自転車の番号が画面上にでてきます。
そこで番号を入力して、その自転車をとります。

画面に150ユーロとでて一瞬びびりますが、これはあくまでも仮。発行されるレシートにも150ユーロとでますが、これは自転車を紛失、故障させた時などに引き落とされるのみで、普通に使っていれば引き落とされるのは1ユーロだけです。
その後30分以内の使用であればタダ。30分をこして一時間以内だと1ユーロ加算。その後は…忘れた^^。すみません。

というわけで長距離で乗りたいときでも、30分たつ前にいったん自転車置き場に戻して(どこのでもOK)、また上記の手続き(使いたい時に~以降の)をとると、一日中1ユーロで乗り放題です。買った時から24時間なので日をまたぐことも可能。

詳細はこちら。http://www.velib.paris.fr/ ここで自転車設置場所もチェックできます。だいたい大通り、メトロの近くにはありますが。英語、スペイン語版もあります。

自転車は車道を走らないといけないし、道をしってないと厳しいのですが、パリの美しい町並みを横目に走るのって気持ちいいですよ!メトロだとピンポイント移動になってしまうけど、自転車だと「こんな素敵な場所が!」てな発見にもなるし。



と言うわけで昨日、今日と走ってきました。コースはセーヌ川沿い~中華街。って仕事と社会保険事務所にいってただけなんですが。途中一雨降って、びしょびしょになりましたが、便利、快適!

大通りびゅんびゅんはさすがに怖いけど、小道をぷらぷらってのはお勧めです!怖くなったら歩道にあがって押せばいいし。

新しいパリの足としていかがですか?

(Hiroko)





  

Posted on 2007年10月02日 │コメント(1)