2010映画祭NEWS

2010映画祭リポート⑨:スタッフセレクション上映 (2010年12月30日付け)

2010年も残すところ後3日。今年中に2010映画祭リポートあげるぞ~。

さて、今回は昨年からプログラムに加わった映画祭スタッフセレクション。
こちらは、一次審査通過したけれど残念ながらコンペ入選には至らなかった作品の中から映画祭スタッフ一押しの作品を選出して上映するプログラムです。

監督の個性が際立つ作品ばかりで、一筋縄ではいかない映画マニアに人気のプログラムでもあります。

今年来場してくださったのは、二年連続スタッフセレクションにインした吹田祐一監督。

「朝5時の起きて東京からやってきました。」

司会:作中の主人公が吹田監督とかぶるのですが、ああいう男女関係は吹田監督にとってリアルなものなのか?

「ああいう関係が理想というか…女性が強いのはよくわかっているが、根本のところは男の方が強いというところを見せたい。でも、それは10年早いかなとも思う。」

司会:僕の経験で言うと一生無理です(笑)
   
司会:カンヌ映画祭に今年参加されたそうですが、海外の反応は?


「新しい作品を勝手に持って行きました。反応は、やはり失笑でしたね。」



吹田監督の作品の大ファンという竹中運営委員長と吹田監督とのほのぼのとしたトークで会場が和んでおりました。

吹田監督は、海外の映画祭にも積極的に応募されており、2010年度は、短編映画マーケットに登録したこともありあの、カンヌ映画祭(短編マーケットとコンペもあるんですよ!)に挑んでこられたそうです。

フランス在住の私は、カンヌ前にパリで夕食と、映画上映イベント、カンヌ後にお茶をご一緒させていただきました。現地では各国の制作者と交流を図り、外国人の反応を生で感じ、刺激を沢山もらったそうです。

しかし、カンヌに乗り込むとはすごい勇気。。。

ご存じの通りカンヌは長編メインのド派手でリュクスな商業映画祭で期間中は、ここはハリウッドか?と思われる位、つまり、看板の少ないおフランスなのに、映画看板が、昔ながらの建物の壁面をどか~んと覆い、クルーザーの船上では夜な夜なパーティーみたいな、庶民にはちょっと、いや、かなり気後れする映画祭。前職でボスにおともし参加させていただきましたが、いや、なんでもかんでも高くて派手で、いい社会勉強になりました(苦笑)短編は他の映画祭のほうがいいのでもう二度と行くことはないでしょう。




カンヌの町はこんな感じ、私が参加した年はインディ・ジョーンズの最新作のキャンペーンがすごかった。




短編マーケットはこんな感じ。ド派手&広大な長編部門マーケットに比べて奥の方でひっそり、でもアットホームな感じでやってます。短編担当のスタッフはみんなフレンドリーで感じがよいです。
登録料も高いし、滞在費もすご~くかかりますが、いろんな意味でいい勉強になります。

さて、カンヌリポートになってしまいましたが、話を吹田監督に戻して(すみません)。

そしてカンヌに続き、なんと、10月末には、ベルギーの「9th Pink screens film festivalというジェンダーフリーの映画祭に去年の応募作品「a teenager in love」が入選して、参戦されていました!

海外映画祭のコンペイン、素晴らしいですね!おめでとうございます!

2度の渡欧で、いろんな刺激受けたことでしょう。次回作が楽しみです。


残念ながら来場できなかった他の監督さんたちも、国内外の映画祭で高い評価を受けてらっしゃる方ばかりです。これからの活躍が益々期待される監督たち。新作を楽しみにしています!

素晴らしい作品、ありがとうございました!

(写真はカンヌの話題が出たのでカンヌの写真を)

次回は、目玉!の磯村監督のトークリポート。(をなんとか年内に…。)

(hiroko)
  

Posted on 2010年12月30日 │コメント(0)

2010映画祭リポート⑧:関西セレクション上映 (2010年12月14日付け)

いやはや、映画祭リポートが終了しないまま、早、12月に突入してしまいました。。。
2010年度の映画祭リポートはなんとか年度内にあげたいところ。頑張ります。

さて、今回は今年初の試みとなった「関西セレクション」の上映リポートです。
年を重ねるにつれ関西で活動されている監督さんたちの応募が増えてきたように思います。
そんな関西在住の監督さんの作品の中から、選りすぐりを選んで上映させていただいたのが「関西セレクション」。

贔屓しているわけではないのですが、お馴染みの監督さんにお会いできるのは嬉しいことですね。
そして、新しい才能を発見するのも!

ちなみに、今年のグランプリ「恋するねずみ」のひだかしんさく監督も関西出身。

関西の監督さん、映画業界でも関西パワーを炸裂させましょ~。

というわけで、ご来場いただいた監督の皆様の舞台挨拶をご紹介。





「お手本/中村武監督

大阪から来ました。
もとは16ミリフィルムで撮っているので無駄に金がかかっている。
そのフィルム感がわかってもらえれればうれしい。
内容は四コマ漫画で笑ってもらえればうれしい。

「出会い系忍者2」/中島祐作監督

普段は大阪でジーザスフィルムという団体で映画を撮っている。
シュールなコメディかバイオレンス映画を撮っているが、今回は小学生のようなノリでふざけてみたかった。気合をいれて作っていて、音楽も作ってもらっているのだが、ふざけているので、朝から見るのはつらいかと思う。

「鉛のまぶた」/田中由希子監督

画面に自分が写ってはずかしかった。こうして真ん中に立って話すのも初めてなので緊張しているがこれからもがんばって制作していきます。

「映像伝承 内藤邸」・「但馬スケッチ」/藤原次郎監督

(スペシャルゲストとしてミニトークの形で挨拶をしていただきました。)

藤原:内藤邸は撮影した3日後に解体した。解体シーンも撮っているが編集でやめた。

司会:空撮のシーンで近代的な建物の中に内藤邸がぽこっとあるのがわかる。一つのメッセーじとしてつたわってきた。

藤原:そうですね、あのシーンがあるので解体のリアルなシーンは必要ないかと思った。

司会:内藤邸は味のある建物だが、建物を映す時に、対象物との距離の取り方に気をつけていることはあるか?

藤原:本質的なものを切りとれるように気にしている。ディティールを追うのではなく全体像を追うように気をつけている。

「但馬スケッチ」に関しては、作品はまだ完結していない。永遠のテーマとして今も撮り続けている。
仕事として撮っているのものは、物事にテーマをつけて、それを見せるために、カメラワークや編集などであの手この手を使って演出しているので、一度、演出なしで撮ってみたかった。この作品は演出してるようにみえるかもしれないが、ワンシーンを除いては、5秒間ずつの映像を繋げただけのもの。ストーリーもないので、見てくれた人がつらなった映像を見てストーリーを想像できる。それで、見た人が「こんなんでしたね」と言ってくれれば僕は「はい」と言うだけ。とても楽な作品だ(笑)。

司会:映画で空気感を出すのは難しい。僕はずっと姫路に住んでいるが但馬に行くと空気が違うのを感じる。但馬の自然の深さを的確に撮られていたと思うが…

藤原:僕は但馬の和田山の出身で、小さい時は但馬より姫路の方が好きだった。僕が小さかった頃はモノレールがあったりと時代の最先端を行っていると思っていた。それに比べ但馬は商店街もないし何もない田舎だった。でも今は逆になって向こうに行くといろんなものが残っていて、向こうに行くのが楽しい。

「内藤邸」は海外にもよく出している作品で、フランスで上映した時に、上映後に観客から多くの質問を受けた。印象に残っているのは:

 フランス人:「私はプロのカメラマンだが映像の粒子が荒れているように見えるがどうなのか?」

藤原:「映像の美しさは粒子ではない。そこにかもしだされているものです。」と答えると「メルシー」と言っていた。


以上、舞台挨拶をお届けしました!
駆けつけてくださった監督の皆様ありがとうございました!


上映後に監督の生の声が聞けるのは映画祭の面白いところ。
今後は、こういった挨拶の機会、さらには、観客との交流の機会を設けられるようにしたいと思っていますのでお楽しみに~。

(hiroko)


  

Posted on 2010年12月14日 │コメント(0)

2010映画祭リポート⑦:姫路・播磨プログラム上映 (2010年11月06日付け)

いよいよ明日は、ひめじ国際短編映画祭、2010年度最後のイベント「ひめじ国際短編映画祭in光都」です。

イベント詳細はこちら。大スクリーンで鑑賞できる最後(多分)の機会です。お見逃しなく!

姫路~全国の、若手監督のパワーと個性が溢れる作品が無料でお楽しみいただけます。
既に各地の映画祭でブレイクしている監督作品も多数。
この中から「絶対」将来の大物監督が生まれるはずです!
皆さんも一緒に発掘して応援しましょう!


話は変わって、映画祭レポートの続きを。

明日、上映予定のプログラムの中に「姫路・播磨プログラム」があります。
プログラム詳細はこちら。

こちらのプログラム、「地元での制作活動を推進し、応援しよう!」という、Ecrans de Harimaの活動趣旨の一つを反映したもので、初年度からの恒例プログラムです。

1年目は、姫路ビデオ協会さんの協力を得て姫路の懐かし映像をメインに上映し好評を得ておりましたが、映画祭も回数を重ねていくうちに、姫路、播磨地域出身、在住の監督さんからの応募が増えてきました。
「若手の制作支援」という立場から、去年からは地元発信の「今」の作品でプログラムを組んでいます。

姫路工業高校でアニメーション制作に励む高校生たちの作品。
若手監督の思いがこもった作品。

毎年応募してくれるグループもいるので、彼らの成長を映画祭を通して見守っていけるのも嬉しいことです。

今後は十分な時間枠を取って、地元の今と昔、両方感じられるような作品を上映したいですね。

ちなみに、初年度の姫路・播磨プログラムで上映した作品のひとつは、何を隠そう2010年度運営委員長の作品(笑)。監督として参加したのが運のつき?映画祭の運営があまりにも悪かったので励ましの気持ちから意見してしまったのが運のつき?で、2年目からは、姫路シネマクラブでの上映会運営経験と映画への愛を買われて、映画祭スタッフに引っ張り込まれてしまいました。。。(と人ごとのように言っていますが引っ張ったのは私^^)

その後の映画祭運営(特に当日進行、上映環境まわり)の改善は彼に活躍によるところ多し。1年目にはなかったタイムスケジュール(代表の私がやるとぶっつけ本番多しなので。。。)もできたし!本当にお疲れ様&ありがとうございます。




(左:竹中運営委員長、右:今年度のあいめっせ進行責任者てつうくん)

今年は運営委員長ということで全体を見ていたので、メイン会場の進行役は、去年からスタッフに加わってくれた、てつうくんにバトンタッチ。時間チェック、アナウンスなどばっちし連携しながらやってくれました。
スタッフの継続参加と成長も本当にありがたく嬉しいことです。


そんなわけで、「姫路・播磨プログラム」は、当プログラムに思い入れのある運営委員長が質問するという形で、「永遠の夜間飛行」の山田道俊監督に舞台挨拶をしていただきました。


2年目から出品してくれているが、今まではサイレント映画だった。3回目出品の今年は初の有声の会話劇だが、感触は?

「実際に見たり聞いたり、言ったり言われたりしたことからヒントを得て作ったのでリアリティのあるものになったと思う。役者もみな素人なので難しかったが、いいものができたと思う」


観客の皆さんにメッセージを

「僕たちショートフィルム研究会は姫路、播磨地域を中心に制作活動を行っている。この作品は「過去に戻りたい」という僕自身も感じている思いをもとに作った。でも「過去を振り返っていても仕方ない、前向きに生きよう」というメッセージを込めているので皆さんに伝われば嬉しい。これからも制作活動を続けるので応援してください。」

*「MIND FULL FILMS」の松原愛監督にも舞台挨拶をしていただいたのですが、記録が私の手元にないのでごめんなさい!見つけ次第掲載します!





(制作者と観客の交流中、映画を通して人が繋がっていくのがいいですね。)

では、皆さん、明日は、「ひめじ国際短編映画祭in光都」はお見逃しなく!

(hiroko)  


Posted on 2010年11月06日 │コメント(0)

2010映画祭リポート⑥:公募コンペティション 舞台挨拶 (2010年10月24日付け)

さて、お次は、公募コンペティションのリポートです。

「Lizard Planet」の上甲トモヨシ監督、「葬儀屋と犬」の橋本新監督は残念ながら不参加となりましたが、15名中13人の監督がスタッフ、俳優さんを引き連れて姫路まで来てくださいました!

関西からだけでなく、東京、遠くはロスから、また、同時期に開催されていた広島国際アニメーション映画祭とかけもちなど、皆さん忙しいスケジュールの中、姫路に駆けつけてくださいました。

(参加いただいた、監督・俳優・スタッフの皆様の集合写真)


姫路お城祭りの賑わいを楽しみつつ、ひめじ国際短編映画祭を楽しんでいただけたようです。
以下、参加監督の舞台挨拶でのコメントを簡単にまとめたものを掲載させていただきます。(来場されていた俳優の方々からもコメントをいただきましたが、この場では監督の挨拶のみ紹介させていただきます。)

上映作品詳細はこちら。





(続々とお客さんたちが入って行きます)


「Caresse」 鈴木里奈監督

この作品は、まだ学生だった去年の夏に、初めて監督して作った作品で思い入れがある。今は制作会社で働いているが、この作品を作った時の初期衝動を忘れないように、また、いろいろ吸収しながら、これからも作品を作っていきたい。

「真夜中のこども」 七尾一哉監督

2年前に結婚した時のことを思い出しながらこの作品を作った。奥さんが寝ている間にせこせこ頑張って作ったが、完成作を見せたら「しょうもない」と言われてしまった。なので、ひめじで入選したのにはびっくりしたけど、「生きていればいいこともある」と嬉しかった。

「くらげくん」 片岡翔監督

去年の「Following」に引き続き今年も作品が入選し、姫路に帰ってこれて嬉しい。沢山ショートフィルムを作っているが、「くらげくん」は一番自分の思いを込めて作った作品なので、少しでも皆さんの心に残ったら嬉しい。

「ヤマイグイ」 金子修監督

去年の6月位に作ったが、その当時インフルエンザなどの病気が話題になっていた。それを特に意識して作ったというわけでもないが、病気を持つ人に「ヤマイグイが見えたらいいな」と思いながら作った。

「パンティの話」 三代川タツ監督

普通の恋愛映画を作ったはずだが、自分のせいか、スタッフのせいなのかわからないが、恋愛観が多少歪んでるものになってしまった(笑)。主人公の青年が変だが、あれは演技なので役者さんを見ても笑わないで。

「くちゃお」 奥田昌輝監督

ガムが大好きな男の子のめくるめく空想が展開していく様を楽しんでもらえたら嬉しい。約3ヶ月間、4000枚位の絵を描いて制作した。大学の教授からのプレッシャーもあり、大変で、「もうアニメなんか作りたくないと思った」がこうして沢山の人に見てもらえて、とても嬉しい。

「井の中の蛙」 落合賢監督

去年の12月に、撮影監督と二人で北海道の稚内から沖縄まで約3週間かけて縦断して作った。16000枚の写真と8時間の動画を15分に圧縮した作品。南下するにつれて気候も暖かくなり、主人公の心も温かくなっていく話だが、この作品を通して日本の美しさ、四季の変化の美しさを少しでも感じてもらえれば嬉しい。




(公募コンペ①と②の休憩時間にじっくりプログラムに見いる観客の皆様)


「眠らせ先生!」 野中晶史監督

1年半前位に制作した。当時、「笑ってもらいたいな~」と思いながら制作していたが、その気持ちも忘れていたが、今日改めて見直して、また皆さんに笑ってもらえてよかった。

「おうちへかえろう」 佐藤福太郎監督

大きなドラマがある作品ではないが、子供の目線を意識して作った。なんでもないことも子供にとっては大きなことなんだということを作品を通して感じてもらえれば嬉しい。

「Googuri Googuri」 三角芳子監督

「グーグリ グーグリ」というのは私が作った造語で、おじいちゃんと孫娘の間だけで通じる秘密の言葉を考えて作った。子供のころは想像と現実の境があいまいで自由に行き来ができた。そんな自由な世界を、アニメーションという自由な表現方法で描きたかった。大きな画面でたくさんの人に見てもらえて嬉しい。

「画龍点睛」 永野敏監督

時代劇をやってみたかった。衣装などにもお金がかかるので個人制作では難しいが、10分の作品の企画があり、それだと一日位でなんとかなるかと思って作った。役者も優秀だったので撮影は予定通り進んだが、首が転がるシーンは、思うように転がってくれずとても苦労した。

「走るのには理由がある」 岡元雄作監督

この作品を作るにあたっては、「誰が見ても楽しめる作品」を目指して作った。テーマ性は薄いかもしれないが、会場でも笑いが起こっていたのでみんなに楽しんでもらえたようなので嬉しい。

「恋するネズミ」 ひだかしんさく監督

どんな作品を作ろうか悩んでいる時に、奥さんに相談すると「ネズミが出てくるアニメを作って」というテーマを出してくれたので、それで1年ほどかけて作った。


遠いところ、またお忙しいところ姫路まで駆けつけてくださった監督、スタッフ、俳優の皆様、本当にありがとうございました。

日本国内、また海外の映画祭でも入選、受賞されている作品が多く、ひめじで上映できたこと、大変嬉しく思っております。今後の活躍をスタッフ一同見守りながら応援させていただきます!

舞台挨拶の様子は、11月7日(日)に開催予定の「ひめじ国際短編映画祭in光都」で上映させていただく予定です。映像ですが、監督、俳優さんたちの生の声をお楽しみください。

また、観客の皆様のアンケート結果、また監督の皆様からも「もっと観客と監督が交流できると嬉しい」「もっと監督の生の声を聞きたい」「観客の反応をもっと生で感じたい」というお言葉を多数いただきました。

監督と観客が近く、交流できるのが映画祭のよいところ。

運営上の問題でなかなか難しいのですが、今後の課題として、実現できるようにスタッフ一同頑張っていきたいと思いますので応援してくださいね。

(hiroko)

  


Posted on 2010年10月24日 │コメント(0)

2010映画祭リポート⑤:片岡翔監督特集&ティーチイン (2010年10月20日付け)

さて、若手監督特集最後のゲストは日本全国の映画祭にひっぱりだこの片岡翔監督。

コンペ入選作品で「監督賞」を受賞した「くらげくん」、また特集上映で上映させていただいた「Mr.バブルガム」、この2作で今年の映画祭はほぼ網羅したのではないか?という位の勢いの片岡監督をいち早く招待し、短編映画の魅力、制作裏話を語っていただきました。

上映作品&監督プロフィールはこちら。





以下、トークの内容をまとめてレポートいたします。


Q:5分以下の作品も多く作られ、短編映画ならではの楽しさを熟知しておられるようですが、長編に比べての短編の魅力は?

今まで12本位作っているが、一番の魅力はあっという間に楽しんでもらえること。
「2時間も集中できない」という理由で、若い人の映画離れをよく聞くが、短編程度の短さだと、パソコンや携帯でも見ることができ、時間のない方に見てもらえる。

短編映画は一つのテーマに絞って作り、無駄なモノをそぎ落としていく。それが魅力、強さにもなる。
例えば「ストップ地球温暖化」というプロジェクトの一環として制作した「28」がある。
規定は25分以下だったが、一つのメッセージを伝えようと思った時に、短時間でさくっと見れるエンターテイメント作品がいいと思った。楽しみながらも、何かを考えるきっかになる作品を目指して作った。

Q:3作品の尺もテーマもジャンルもばらばらの作品だが、尺の長さと制作期間の長さは比例しているのか?

僕の場合、尺の長さではなく、セリフの多さや作品のテーマによって制作期間は変わる。重たいテーマの作品の場合、必然的に真剣さが増すのでそれだけ時間もかかる。
「28」の場合は、1日で考え、1週間で準備し、1日で撮影した。

僕のような若手作家が短編映画の制作から入るのは、予算がかからないから。
「少ない自己資金を使って、どれだけ面白いものを作れるか?」を考えていくと、ワンシチュエーションの作品になることが多い。今回は3作ともワンシチュエーションで場所が動かない設定だが、その場合、「場所がひとつという制約がある中でどれだけお客さんに楽しんでもらえるか?」ということに非常に頭を使う。

予算のハンデはあるが、脚本、アイデア次第で、広がりと深みのある作品がいくらでも作れるのが短編制作の魅力。

Q:脚本、監督、撮影、編集、全部自分でされているのか?

企画、脚本、美術、編集を自分でし、撮影は仲間のカメラマンにお願いしている。

「ぐるぐるまわる」「Mr.バブルガム」は、一番美術にこだわった作品。多数の若手作家の中で、いかに自分のカラーをだして目立つかと考えた時、自分の好きな「美術」が強みになると思った。

かわいい衣装やぬいぐるみなどが好きなので、そういった要素を取り入れたり、映画は色が印象に残るので、色の設定にも気をつかっている。
「Mr.バブルガム」に関しては小道具はほぼ手作りで弟と二人で作った。

「Mr.バブルガム」のロケ地に関しては、ロケハンを始めてすぐに理想的なあのシーソーが見つかった。

ロケ地や役者、スタッフとの巡り合わせも映画作りの中でとても大事。

Q:3作品はジャンルもテーマも全て違うが、脚本のアイデアの源は?

いつもスターバックスで脚本を書いているが、周囲の人々の様子や話に常に興味をもち、疑問をもつようにしている。おかしい人を発見した時に、「なんでおかしいのか?」を考え、背景を想像したり妄想したりしていると、それだけで1本の作品が書けてしまう。

6人兄弟の5番目で、個性的な兄弟、姉の中で育ってきたので、周りを観察する癖がついていた。

Q:3作品の中で一番思い入れのある作品は?

作品は、自分の子供のようなので、出来が悪くてもどれもかわいい。もちろん出来の良さの順はあるが、それを好きか嫌いかは別問題。
あえていうなら、「くらげくん」が自分の中で一番お気に入り。「ぐるぐるまわる」や「Mr.バブルガム」はえっという終わり方で申し訳ないが、「くらげくん」で「ほんわかとした」一面も見てもらいたい。

いろんなジャンルの映画が好きなので、いろいろ挑戦したい。テイストの違う多種多様な映画祭があるので、いろんなものにチャレンジして、いろんな映画祭に行きたいとも思っている。

大家族で育ったので、家族の話に取り組みたいが、深く描くためには20分とかの短編では無理なことに気付いた。中編や長編などでじっくり描きたい。

ファンタジー映画が好きなので、大人も子供も楽しめるファンタジー映画を作るのが夢。

Q:次回作の予定は?

短編映画の企画と脚本はいっぱいあって、次どれを撮るかを悩みながらいつも制作している。やりたい事がいっぱいあるから、短編映画でいっぱい作っている。

「死にまつわる短編」を13本書いたので、最終的にはその中から5本位選んで短編オムニバスを制作したい。スタッフに読ませて一番好評だったのが「Mr.バブルガム」だったので、自分では自信のある作品ではなかったが制作した。

短編作家としてやっていく道もあるが、映画監督としては長編をとってなんぼの世界である。今までの短編映画制作の経験をいかして、長編でドラマをじっくり描いていきたい。

「くらげくん」で受賞した、ぴあフィルムフェスティバルの企画の一環で、長編の脚本を書く予定。脚本が選ばれれば、作品を撮らせてもらえるが、それがダメでも、自主制作で40~50分程度の中編映画を次は作ってみようと思っている。


短編を知り尽くした監督ならではの興味深いお話でした。

「いっぱいアイデアがあるから短編でいっぱい作っている」
長編映画監督への単なるステップとしてではなく、短編制作を心から楽しんでいらっしゃる片岡監督。次々に生まれるアイデアを是非とも全て映画化していただきたいですね。

毎回違った作風、テーマの作品で楽しませてくださる片岡監督の今後が楽しみです。

ちなみに、各地の映画祭で大ブレイク中の「くらげくん」。
11月7日に予定している「ひめじ国際短編映画祭in光都」でも上映させていただきます!見逃し方はは是非。

プログラム詳細は当ブログにて近日中に発表いたします。

片岡監督、ありがとうございました!

片岡翔監督(Nekome Film)ホームページ http://www.nekomefilm.com
  


Posted on 2010年10月20日 │コメント(0)